PCU(緩和ケア病棟)
Palliative Care Unit
専門分野・主な業務
緩和ケア病棟は、がんとエイズの方が入院の対象となります。患者さまが抱える全人的な苦痛に対して、一般病棟や在宅では対応が難しい症例に対応することが大きな役割となっています。
全人的苦痛とは、痛みや怠さなどの身体的苦痛、仕事や経済的問題などの社会的苦痛、不安やいらだちなどの精神的苦痛、孤独感や生きる事への問いなどの実存的苦痛があります。急激に病状が変化した場合には24時間の入院を受け入れ、これらに対して多職種で協働して速やかに対応しています。症状緩和をするためには、適切な薬剤投与と評価が重要となります。それらを医師と協働しながら看護師が主体的に実施しています。
患者さまと同様に、家族もケアの対象となります。病状変化への不安、無力感、家族を失う悲嘆に向き合い、ケアを行っています。
また、残された時間を自宅で過ごしたい場合には、速やかに退院調整を行い、自宅での療養を実現しています。
スタッフ数
看護師 | 20名 |
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看護補助者 | 2名 |
クラーク | 1名 |
公認心理師(臨床心理士) | 1名 |
部署の特長
茨城県がん診療連携拠点病院の緩和ケア病棟として、専門的緩和ケアを提供する役割を担っています。専門的緩和ケアとは、一般病棟や在宅で行われている基本的緩和ケアとは異なり、より対応困難な症例へのケアが求められます。そのため、ELNEC-Jや日本ホスピス緩和ケア協会の教育プログラムを参考にした自部署での教育を行っています。
茨城県内には緩和ケア病棟が10箇所(令和6年4月現在)ありますが、当院では、水戸医療圏を中心に、常陸太田・ひたちなか、鹿行など広い範囲からの患者さまを受け入れています。また緊急緩和ケア病床により、24時間、365日の入院の受け入れを行っています。
当院でがん治療を行っている患者さまは、主治医を変更することなく、緩和ケア病棟に入院することができるため、安心して緩和ケアを受けることができます。
部署における大変なこと・達成感のあること
病状が厳しい中で短期間の関わりであっても、「患者や家族」と「医療者」の枠を超えた、人と人との関わりを持つことができます。その関わりを通じて、各々が成長したり、変化したりすることを実感できたとき、自分たちの看護を真に肯定することができます。それは、ナイチンゲール、ヘンダーソン、マーガレット・ニューマンが「看護」として先に述べていることです。
患者さまの苦痛や生と死に向き合うため、自分自身を見つめ、看護師であることを誇りに思えるような看護を実践できる病棟です。
求職者の方へメッセージ
一般病棟では対応が難しい患者さまを受け入れて看護を実践しています。そのため、新人の配置は難しく、数年の看護師キャリアを経てからの配置となります。
患者さま、家族が辛いとき、ケアをする私たちも辛くなることがあります。そのため、自分の思いを共有してくれる仲間、お互いに思いやりをもって支え合える仲間がいることが重要だと思います。そのチーム力が私たちの最大の強みです。看護師であることを誇りに思えるような看護を一緒に実践していきましょう。